『偽装請負―格差社会の労働現場』

偽装請負―格差社会の労働現場
偽装請負―格差社会の労働現場
朝日新聞社出版局
price : ¥735
release : 2007/05

格差社会を感じるルポ

偽装請負の問題は、朝日が昨年8月に特集報道をする前にも、散発的に各メディアで報道され、一部では知られていた。しかし、遅ればせとはいえ、企業が偽装請負の改善を始めたのは、朝日の特集報道がきっかけだった。大きな意義のある報道だった。それまでの報道と朝日は何が違ったのか?本書にも指摘されているが、朝日の取材チームが、偽装請負をする大企業を名指しして注目を集めたこと、豊富な取材に基づくネタの量はもちろんだが、何よりも現代の「格差社会」の闇を象徴する問題と明確に認識して取材したためだ。本書で取り上げられている請負労働者は裁判などを起こし、小さいがずっと自分たちの声を発信してきており、取材する気さえあれば、どのメディアも取り上げられたはずだ。朝日の目の付け所がよかったからこそ、小さな声がつながり、世論は偽装請負を社会問題として認知した。

朝日新聞は数年来、記事捏造、盗用と目を覆うような組織力、取材力の劣化が進んでいるように感じた。しかし、本書により、全体としての朝日の取材力のレベルは依然健在であることが分かった。そう感じるほど、売り文句に違わぬ「渾身のルポ」だった。

読んでいて感じるのは、企業の冷徹さだ。人を代替可能な材料くらいにしか思っていない。本書で取り上げられているのは、終身雇用、家族的経営など企業倫理の模範のようなキヤノン・松下だったが、本書に出る両社の現場の姿勢に、そうした温かみは微塵もない。さらに、キヤノン御手洗会長も偽装請負を反省するといいつつ経済財政諮問会議で偽装請負を実質合法化するように訴えるなど、自己利益に汲々とする。これが経団連会長企業かと情けなくなった。また、この仕事・会社が好きなのに、会社からはいつ切られるか分からない。将来の安定も希望もなく働き続けなければならないつらさを訴える請負労働者に格差社会を感じた。
道具としてのファイナンス
道具としてのファイナンス
日本実業出版社
price : ¥2,520
release : 2005/08/25

FinanceのFoundationを

とっつきやすいFinanceの本が、あまり世の中に出回っていない中で、
本書は、その間隙を突いた良書です。
これからファイナンスを学ぶ方には、同じような
思いを味わわなくてもいい、という筆者の思いが
ぎっしり詰まっています。
効率的に、ファイナンスの概要を学びたい方、必読です。
日商簿記受験生のための電卓操作完ぺき自習帳―これで楽勝合格総得点20点アップのトラの巻
日商簿記受験生のための電卓操作完ぺき自習帳―これで楽勝合格総得点20点アップのトラの巻
とりい書房
price : ¥1,365
release : 2004/07

未来のために、初心者ほど買うべき本。

学習の初期段階で、効率的な電卓操作の方法を覚えることができれば、将来的に大きなアドバンテージになります。先々は税理士などを目指しているけど、「まだ今の段階ではそんなに計算をしないから……」なんて思っている人こそ買うべき本でしょう。
官僚とメディア
官僚とメディア
角川書店
price : ¥720
release : 2007/04

メディアに何かを期待すべきなのか?

本書を読むと、現在のメディアを巡る問題状況?いやメディア自身だけに留まらず、それが関わる森羅万象を巡る問題状況と言ったほうがより適切か?が一つの揺ぎ無い構造の上に成立していることをいやが上にも痛感させられる。

メディアが文字通り「媒介者」でしかない以上、その入力を掌握するもの=公権力がいかようにも動かすことができるというのは、あまりにも自明な、そして磐石な構図である。逆にそのような構図にも関わらずメディアが反権力であるという妄想が許された時代が牧歌的であったという気さえするほどだ。記者個人の姿勢はともかく、総体としてのメディアは権力と一体である。哀しいかな、代議士の世襲を批判しようにも、今や政治記者の身分が三代に渡って世襲されるご時世なのだ。

言論統制といえば今だに北朝鮮を例に挙げることが多いが、かの国のように公然と「言論統制する事」を行うような仕組みは、メディアへの入力としての「情報」は統制できても、言論の基盤となる人々の意識を制御することはできない。比較してわが国は言論の自由がタテマエとなっているために、情報を統制することが意識=言論を制御することに直結する。 何でも言えるはずのメディアが黙っているということは、そこに何か言うべき事実が存在しないと見なされる。少なくとも国民はそう見るように馴らされている。

魚住氏は元記者であり、かつての同僚たちの一片の良心に期待しているようだが、その点については少々異論がある。記者個人個人の努力や力量よりも、むしろ、大企業の広告と公的機関の発表情報に牛耳られたメディア空間で、高額所得を保障された記者が記事を書く、というこの構造の抱える欺瞞を多くの人々が認識することからしか、突破口は開けないのではないか。
下流志向──学ばない子どもたち、働かない若者たち
下流志向──学ばない子どもたち、働かない若者たち
講談社
price : ¥1,470
release : 2007/01/31

賛否両論ありますが

この本の評価は二つに分かれていますね.

前半を読んでいて,議論が断定的で極端だと感じました.このあたりは反対派に賛成する部分があります.しかし,後半での議論にそれらが必要だったことが良くわかります.

全体を読み通せば著者の主張が良くわかる本だと思っています.教育は経済原則に則ったらおしまいだという主張はもっと世の中の人に理解していただきたいと思います.日本の将来のための教育(自分たちが先達から学んだことを自分たちの次の世代に引き継いで行く)という観点を持ち続けたいですね.

「時間」というのは大切なキーワードです.
土地のグランプリ07-08〔セオリー〕vol.8
土地のグランプリ07-08〔セオリー〕vol.8
講談社
price : ¥1,000
release : 2007/05/08

土地勘のない場所について知りたい方に!

土地勘のない場所について、土地柄や街並みの様子をしりたくて購入しました。
とくに東京23区について詳しいです。
○○町◎丁目と具体的に絞ってのランキング&コメントです。
住み心地を語るときにありがちな福祉制度よりも、自然や公園、街並みの様子が書いてあり参考になりました。
都内で職住接近のマイホーム購入を考えている方やお子さんの都内通学で転居を検討されている方などに役に立つと思います。

こういった視点の本を探していたのになかなか出合えませんでした。このような本がもっと増えてほしいな。稀少な点で★5つです。

13歳のハローワーク
13歳のハローワーク
幻冬舎
price : ¥2,730
release : 2003/12/02

幸せになれる

>「好きなこと」というのは、レストランのメニューのように
>どこかにズラッと並んでいてその中から選ぶ、というようなものではないからだ。

唸った。痛い。
マークシート式に、「枠のある選びやすい選択肢」からチョイスすることに慣れきってしまうと、
いざ、自分がすべきことを探して何かをしようとすると棒立ちになってしまうようだ。

私はいま、ひとつ心配していることがある。
来年、父の定年退職が控えている。団塊世代の父。
日本の高度成長期を支えて、朝から晩まで身を粉にして働いてきた世代だ。
趣味に勤しんでいる暇もなく。
彼らもまた、就業とは違った意味で「好きなこと」と出会えるだろうか。

職業選択の意味だけでなく、多岐にわたっていろいろ考えさせられる一冊。

身近な13歳前後の子どもには、ぜんぶ読まなくていいから、「ちょっと一緒に見ようよ。」と誘いたい。
同世代の友達には「これ読む価値あるよ」と伝えたい。

なぜなら。幸せになれるから。本当に、そう思う。
家庭の医学のように、備えたい一冊。
いま二人が一番伝えたい大切なこと―アセンション・フォトンベルト・多次元世界・プラズマ宇宙論-これからこうなる。こう
いま二人が一番伝えたい大切なこと―アセンション・フォトンベルト・多次元世界・プラズマ宇宙論-これからこうなる。こう
徳間書店
price : ¥1,680
release : 2007/03

船井氏がかんでいるから説得力が増した。

 本書が中丸氏の著作であれば、イマイチでピンと来なかったように思うが、船井氏が肉付けに参加しているので、信憑性が高くなっている。
 参考になる文献が多く紹介されていて、ワクワク読ませて頂きました。
 いよいよアセッションの時代に突入ですね。
累犯障害者
累犯障害者
新潮社
price : ¥1,470
release : 2006/09/14

挫折を知った男の、気付きと再生の物語

障害者、そして犯罪者。二重の意味で周縁化された世界と、周縁化している側との接点は、福祉ではなく司法だった。

文中に繰り返し出てくる「福祉とつながっていなかった」という指摘からも明確なように、著者はその接点を福祉にすべきという持論で行動している。著者自身、その是非を割り切れない部分を問い続けながら、とにかく行動している。

随所に見え隠れする著者の挫折経験──獄中での生活──はドキュメントの定石からは外れているが、そこが本書のキモだろう。もしその要素を取り除いてしまっていたなら、単なるゴシップ本の類に成り下がっていたに違いなく、それこそがマスコミが潜在意識的にこの手の報道をタブー視する理由だからだ。

違う環境に身を置いて得られた気付きと、自分の持てる力で働きかけていく覚悟。方法は様々だが近道はない。
国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて
国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて
新潮社
price : ¥1,680
release : 2005/03/26

この本から学ぶことは多い。

元外務官僚(正確には休職中)の書いた一種の自伝だが、読み物として十分スリリングでしかも(本当にIQ高い人が書いた本の常として)読みやすい。

著者は外務省のインテリジェンス(≒諜報活動)の専門家。しかし政府の方針転換による鈴木宗男議員に対する逆風に連座して自らも逮捕起訴されてしまう。そして自身の運命を早期に理解し起訴は免れないことを察知するや、起訴後の公判を見据えて外交機密を守り情報ルートを危険に晒さぬように自身の持つインテリジェンスの知識と経験をフル動員して戦略的に検察と対峙していく。

逮捕前後から起訴、そして一審判決までが驚異的な観察力と記憶力(インテリジェンスのプロには必須の能力=メモは取れない状況が殆どなのだろうから)と新人(外交レポートのプロではあったのだが)とは思えない筆力で書かれている。

これだけスキャンダラスな状況に追い込まれた時、並の官僚ならキャリア崩壊で慌てふためくだろうが、この人は自分の価値≒外交(特にロシア)人脈と情報分析能力と理解、つまり肩書き外れても生きていけるプロと理解しているので、外務官僚としてのキャリアの終わりにも殆ど動転していない(ように見える)。彼が唯一て恐れるのは情報ルートや機密情報が一連の過程でリークすることで自身の(日本の一般社会での、ではなくインテリジェンスソサエティーにおける)信用は勿論、結果として国益が傷つくこと。さすがにノンキャリア出身にも関わらず外務省のラスプーチンとまで呼ばれた実力者だけのことはある。

この本から学ぶことは多い。